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【主宰の雑感】僕たちは絶対に働かなくてはならないのか? 〜低成長時代の生き方に学ぶ〜

私は若者の就業支援のお仕事もたまにさせていただいています。

現在は人手不足とは言われるものの、残念ながら人手不足なのは待遇の悪い仕事が多いのも事実です。

大量に募集をかけているのは、低賃金で過労働な業種が残念ながら多いです。

結果、過酷な環境で心を病み退職、ひどい状況だとひきこもりとなっていきます。

就業支援をしていると、このように心を病んで一度は働けなくなった若者が、なんとか再復活しようとやってくることが結構あります。

みな一所懸命学び、再就職を果たしていくわけですが、たまに不思議な人がいたりします。

それは必ずしも就職したいわけではなく

なんとなく就職していないと世間体が悪いかな?

という思いで就業支援プログラムにやってくる人の存在です。

そんな気持ちでやってきていますから、もちろん一度は就職できても長続きしません。

以前は、

「もっと真剣にやらなきゃだめだよ!」

なんて話を本人にしていたのですが、

最近はこのような考え方も、過去の歴史に照らし合わせると仕方がない。またはありなのかな?

と考えるようになってきました。

室町時代から江戸時代にかけての社会と家族

室町時代の農民は非常に大家族だったようで、家族一世帯の人数が30~40人くらいだったんだそうです。

その内訳は世帯主の夫婦と子供、世帯主の両親夫婦、兄弟夫婦、未婚の兄弟、下人と呼ばれる使用人などです。

そして経済力のない兄弟夫婦や未婚の兄弟は子供を持てなかったり、そもそも結婚ができなかったんだそうです。

現在の団塊ジュニア世代より年下の年代では結構見られる状況が、当時もあったのです。

ところが豊臣秀吉の太閤検地以降、ときの政府はそのような長男夫婦に隷属させられていた兄弟夫婦や未婚の兄弟・下人に土地を与えます。

そうやって独立させることによって江戸時代は経済が発展し、5代将軍綱吉の時期くらいには元禄文化も花開くなど大発展を遂げたのだと言われているのです。

私はずっと、大家族の兄弟や下人たちは世帯主夫婦に安い給料でむりやり隷属させられ、独立ができなかったかわいそうな存在だと単純に理解していました。

しかし、必ずしもそれだけではなかったのではないでしょうか?

低成長時代においては、成功できる人数が限られています。

能力が高いか運が良いかの要素がなければ生き残ることができません。

激しい生存競争から脱落した人間が家族や親戚を頼り、守ってもらったことがそもそもの始まりだったのではないでしょうか?

親夫婦と同居する長男夫婦の家に、過酷な仕事で心を病んだ未婚の兄弟が帰ってくるなんていう状況は、まさに低成長の時代だった室町・戦国時代的な生き方の一つの典型だといってよいのかもしれないのです。

主な参考文献

安良城盛昭『増補第四版 幕藩体制社会の成立と構造』(有斐閣、1986年)

速水融『歴史人口学の世界』(岩波書店、1997年)

 

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