江戸のマイホーム購入事情

最近はマイホームを建てるという感覚もだいぶん薄れてきているように感じますが、やっぱり結婚すると自分たちだけのマイホームを建てたいという人も多いようです。
最近の平均資金は新築の注文物件で3200万円くらい、中古だと2100万円くらいなんだとか。
こんな高額な買い物なのでローンを組んで購入するわけですが、最近は給料が減少しているため、なかなか返済も大変なようです。
江戸時代も元禄期の高度成長期、どんどん兄弟が分家として独立し、自分たちの家を持つようになりました。
そんな江戸時代の人たちの住宅事情はどうだったのでしょうか?
江戸のマイホームの購入価格
江戸時代のマイホーム購入価格の記録が群馬県に残っています。
それは群馬県の船津伝次平さんの御宅に残っている記録です。
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」では、石原良純さんが演じていましたね。
この船津伝次平さんの先代にあたる2代目の長男嘉伝次さんが分家するときに家をたてたときの記録によると、隣村の九良左衛門さんの御宅を買い取ってそこに家を新築することにしたのですが、その費用の内訳は以下の通りでした。
土地代 :17両
家 : 7両
大工手間賃 :2両1歩と1貫995文
木挽手間賃 :3分
入用 :3分2朱200文
その他 :白米2石
萱代 :2両
屋根屋手間賃:1両
大工手間賃 :1両1分180文
入用 :1両1分1朱
大工手間賃 :1分1朱270文
入用 :2両1朱270文
酒代 :1分2朱500文
その他 :白米3俵
となっていて、約金40両かかりました。
1両を約30万円と計算すると、1200万円。
土地代が510万円。家屋代が210万円。残り580万円が新築代です。
だいぶん安いですね。
でも、それには理由がありました。
近隣の人々や親戚の協力です。
新築工事の間に延べで154人の協力がありました。
地域のコミュニティの協力で新築費用を抑えることができていたのです。
参考文献
高橋敏『日本歴史私の最新講義18 江戸の平和力ー戦争をしなかった江戸の250年ー』(敬文舎、2015年)
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