NHK歴史秘話ヒストリア「ワシはコレで天下をとりました〜徳川家康の読書愛〜」レポート

「世の物事がどうあるべきかを教え、あるいは知るには本しかない」(「徳川御実紀」より)
歴活代表の安藤竜(アンドリュー)です。
2016年2月10日(水)放送の歴史秘話ヒストリアは、徳川家康の読書愛がテーマ。
織田信長のようなカリスマではない徳川家康が天下を取れたのは、家康がつねに本の教えを実践していたからだという内容でした。
元ネタはこの本。
番組では徳川家康の本にまつわる3つのエピソードが紹介されました。
目次
episode1 ボクは本で立派な武将になる
徳川家康は天文11(1542)年に生まれましたが、幼い頃は今川家に人質に出されていました。
しかし、そこで一生の師匠に出会います。
それは今川家の軍師・太原雪斎。
鎌倉幕府の歴史書「吾妻鏡」を読んで源頼朝のかっこよさに目覚めた家康は、彼から学問を学ぶようになります。
そして最終的には戦国大名一の本のコレクターとなるのです。
episode2 オレは本で名君になる
大人になった家康は、何か困ったときは必ず本を参考にしました。
長篠の戦いの後、武田家が滅亡したときも武田勝頼の首を丁重に扱ったことから、武田家の家臣が家康に感動。1000人以上の優秀な人材を家臣にすることに成功するのですが、これも本から学んだことでした。
中国の思想書「老子」の一節
「恨みには徳を持って報いよ」
という言葉の実践だったのです。
他にも「孔子」の教えを守って領国経営を行っていました。
episode3 ワシは本で天下を治める
徳川家康は関ヶ原の戦いに勝利し、江戸幕府をひらきます。
天下を治めるにあたって、彼がやったことは図書館づくり。
なんと1万冊あまりの書籍を集め、家臣たちが見られるようにしました。
それによって、武家諸法度などの新しい法律を作成することができたのです。
そして豊臣秀頼を滅ぼした大坂の陣も、幼少の頃から親しんだ「吾妻鏡」から得た教訓から実行したことでした。
「吾妻鏡」では平清盛は源頼朝を一度は捕らえるも情けをかけて殺さず伊豆へ流罪にします。
しかし、それが結局源頼朝の挙兵につながり、平氏は滅亡します。
そのようなことがないように、家康は豊臣秀頼を確実に滅ぼすことを選んだのです。
おわりに
最後に、家康のつくった図書館は幕末まで続き、その頃には11万冊を超える冊数がありました。
そして家康は蔵書の収集だけでなく、出版も積極的に行います。
その考えを継いだのが8代将軍吉宗。
彼も庶民のための手習書を出版。
それもあって日本人の識字率は世界でも高いものとなっていくのです。
感想
こうして見ていると、現代の人でまっさきに思いついたのが星野リゾートの社長・星野佳路さんです。
彼は『星野リゾートの教科書』という本のなかで、経営を行うにはとにかく100%教科書通りにやってみるということの効果を語ります。
ビジネス書の戦略をそのまま実践することで、戦略がうまくいかないときでも自信を持ってやり続けることができるといいます。
ビジネスでもなんでもそうだと思いますが、うまくいかなくても信じてやり続けるという判断を下すのは難しいことです。自分自身の弱気の虫を一掃し、自信を持って頑張る勇気を持つために徳川家康も本という武器を使っていたのかもしれません。
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