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【書評】山﨑善弘『徳川社会の底力』を読む

歴活代表の安藤竜(アンドリュー)です。

今回の書評は東京未来大学の山﨑善弘さんの『徳川社会の底力』(2017年6月、柏書房)です。

*徳川社会の底力

本書は江戸時代の安定がいかに維持されたかがテーマ。

豊臣秀吉は刀狩りを行い、農民は刀を持って自衛することなく農業に専念できる体制を作った。
戦国時代が終わり、江戸時代に入ると徳川家康は一気に刀狩りを徹底。いわゆる軍縮を行った。

その後、5代将軍徳川綱吉の代になって江戸時代はさらに安定する。

綱吉といえば生類憐みの令を出したおバカな将軍というイメージがあるが、実際は治安維持がメインだった将軍の政治を民政を行う政治にへと変換させた名君であった。

この綱吉のときに、将軍や大名は民衆の生活を成り立たせる「百姓成立」を行う存在であり、その見返りとして年貢を支払ってもらうという考え方が生まれ、以後江戸時代を通じてこの考え方が続いた。

こうして江戸時代は安定期を迎えるが、江戸時代後半は火山の噴火が頻発。また気候も寒冷化が進み飢饉が多く発生するようになる。

そのような状況に対し、徳川幕府は寛政改革で囲い米などの米の備蓄政策を実施。
また幕府だけでなく大名も同様の政策を行った。
ほか民衆も領主にお救いを要求するなど、政治参加を積極的に行った。

また民衆が領主に要求するだけでなく、豪農や豪商による窮民への施行といった民間での救済も広く行われた。

このように、幕府・大名の百姓成立のための政策と民間での救済によって、江戸時代は260年間継続することになった。

最終的には日本も明治維新を迎えるのだが、日本はフランス革命のように王族が民衆に殺されるような状況ではなく、武士によって江戸幕府が倒され新政府が生まれた。
比較的ヨーロッパと日本の状況は似ていたと考えられるが、革命が起きたヨーロッパと起きなかった日本では何が違ったのか?

それは戦争があったか否かである。

日本は江戸時代初期の刀狩りによって庶民が武器を持たず、百姓一揆も竹槍のイメージが強いが、実は最近の研究ではそれは明治以降の一揆の姿で、江戸時代の一揆は鍬や鎌しか持っていなかった。

このように武器を持たない庶民は、武力革命を起こすことがそもそもできない状況であった。

そして、そもそも江戸幕府による仁政や民間での救済によって、民衆は武力革命を起こす必要がなかったのである。

 

本書の内容をまとめてみると、このような内容になろうかと思います。

近世史の大きなテーマの一つに、なぜ明治維新は革命にならなかったのか?

というものがあります。

最近はそんなことを真正面からテーマにする本もあまり見ませんが、久々にそんな直球のテーマに切り込んだ本としても面白いのではないでしょうか。

*徳川社会の底力

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