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皿屋敷って更地のことだったの?金沢の皿屋敷伝説の謎【前編】(金沢の怪異・怪談シリーズvol.3)

『喜遊笑覧』という本がある。

さら屋敷とは、家屋もなきさら地の屋敷をさす。これに附会して皿を割りし女の怪談を設けしなるべし

とあるらしい。

皿屋敷とは更地のことだった。

そして更地の更が皿に転換して、皿を割る伝説につながっていった。

それが

「1枚2枚・・・」

と皿を数えるお菊さんの物語で有名な皿屋敷伝説だ。

元々家が建っていたのに、その家の主人が没落し、家も荒れ果て、今となっては人も住まず空き地になってしまっている土地・・・

いい人だったのに、なんであの家のご主人は没落しちゃったんだろう・・・

なんか不気味だな・・・

なんか出そう・・・

そんな私たち人間の思いが生んだ物語。

それが皿屋敷伝説。

そして「屋敷」というと当然、家のことを指すものと思うわけだが、江戸時代の用語では家の建っている土地のことを「屋敷」と呼んだ。

*これは大学院時代、同期の永野啓子氏から教えていただいた。

つまり、更地=皿屋敷だったのだ。

そして、そんな皿屋敷伝説は播州姫路と江戸の番町の2つが有名だが、伊藤篤さんによると、じつは全国48ヶ所で確認されているそうだ。

そして、私の住む金沢でも・・・

金沢の皿屋敷伝説

『金澤古蹟志』という本には、じつはその名も「皿屋敷」という項目がある。

そこには、

(皿屋敷は)出羽一番町の入口である。延宝金沢図では永原左京の邸宅地と出羽一番町の入口との間にある土地を明地(空き地)としている。これがすなわち皿屋敷という場所である。(略)皿屋敷と伝わる場所は、非常に低地で水が外に流れない土地だという。『亀尾記』という本に皿屋敷だと書かれているが、その由来は定かではない。皿屋敷という土地はここだけではなく、金沢中で5・6ヶ所もあるという。

 *『金澤古蹟志』第4編巻10原文はこちらからどうぞ

とある。

ここまででわかることは、皿屋敷はやはり家ではなく空き地を指すということ。

そして低地で水ハケが悪い場所であること。

つまりジメジメしていて、ヘビなどが出そうな気味が悪い土地だったことが、皿屋敷と呼ばれる原因だったようだ。

そして驚きなのが金沢の町中ですら5・6ヶ所もあったらしいということ。

元々、どこかの土地が皿屋敷だという噂が流れ、次第にここもじつは・・・

みたいな尾ひれがついたものなのだろうか。

出羽一番町の皿屋敷とはどこか

この場所以外にも候補は5ヶ所はあるとのことだが、まずはこの出羽一番町の入口と永原左京の邸宅地の間にある空き地とはいったいどこなのだろうか。

『日本の皿屋敷伝説』190〜192ページを見ると、

金沢市立玉川図書館で、著者はここはどこなのか尋ねたらしい。

そして、現在の能楽堂の敷地じゃないか?と教えてもらったと書かれている。

しかし、私自身は今の本多町公園ではないかとも思っている。

江戸時代と現在の地図とが微妙に道路が違うように見えるのだ。

そのあたり、地図を見比べてみたい。

*延宝金沢図はこちらからどうぞ

まず『金澤古蹟志』に書かれている延宝金沢図から、場所を特定する。

出羽一番町の入口と言われてもよくわからないが、永原左京邸の隣に大きな空白があるので、ここが間違いなく皿屋敷と呼ばれていた空き地だと思われる。

そして、つぎにグーグルマップを見てみよう。

現在でも割と近い形で道路が残っている。

能楽堂が候補①、本多町公園が候補②である。

ポイントはこのまっすぐになっている道路が、どう江戸時代の道路を反映しているのかである。

つまり

こういうことだ。

現在の地図は道路がまっすぐなのだけど、延宝金沢図では一度クランクになっているのだ。

問題はどの道路を使ってまっすぐにしたのか。

説①が正しければ能楽堂、説②が正しければ本多町公園ということになる。

ただ、まだ私のなかでも決着がついていないため、とりあえず間をとって出羽町の交差点あたりで、このあたりが皿屋敷のあった場所かなと思っていただくのが良いのではないだろうか。

いまのところはそんな風に思っている。

次回は、金沢に伝わるお菊さんの伝説と、なぜ金沢に皿屋敷伝説が伝わったのかについて語っていこう。

後編はこちら

文責:安藤竜(アンドリュー)

主な参考文献

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