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夜な夜な寝る者の枕をひっくり返す。美しき少女の怪(金沢の怪異・怪談シリーズvol.5)

時は江戸。金沢城下町。

今は四校記念文化交流館となっている場所の付近。

夜な夜な寝る者の枕をひっくり返す、2歳くらいの美しき少女の怪があった。

例によって『金澤古蹟志』によると、

藤田平兵衛という2000石の藩士の屋敷に枕返しが発生する部屋があった。
ある夜、5人が行燈をつけたまま、寝物語などをしていると枕がひっくり返っている。
「それそれ逆さまになるわ」と言っていると、頭と足が逆になっている。
それが5人ともそうだった。
またあるとき、家来の誰かが蚊帳の中で寝ていた。
そうすると、障子を「さらりさらり」とあけてやってくる者がいる。
見てみれば2歳くらいの美しい少女が化粧をして美しい着物を着て蚊帳の外にいる。
指で蚊帳の寸法を測るようなしぐさをしていたが、元のように「さらりさらり」と障子をあけて帰っていった。

とある。

ほか、もうひとつ美女が突然気を失って亡くなるという話もあるが、これは少し違う話だろう。

*『金澤古蹟志』第3編巻6。原文はこちらから。

以前に書いた村井家武家屋敷の手を叩くと赤ん坊の泣き声のように聞こえるという話もそうだが、金沢の怪談はのんきというか怪異を楽しんでいる話が多い。

「それそれ逆さまになるわ」

とか、明らかにキャッキャと楽しんでいる様子が目に見えるようだ。

民俗学者の宮田登さんによると、この枕返しというのは子供の妖怪で座敷童の一種だという。

枕返しとは、夜きちんと寝ているにもかかわらず明け方になると枕が逆になっている状態であり、人は寝ている時にひっくり返されると、枕を通してすべての秩序が逆転すると考えられていた。

つまり、今あまり良い状態でなければ、枕をひっくり返してもらうことで良い状態に変えてもらえるのだ。

それが分かっていたから、怖がるのでなくキャッキャと楽しんでいる様子なのかもしれない。

そして、少女が蚊帳の中に入ってこないというのは、蚊帳によって結界ができていたということになるらしい。

最後、

あるとき藤田家の主人が大きな名犬「大虎」を連れてきて、大きなムジナを獲った。

以後はそんな話もなくなった。

ということだが、こういうオチのつけ方はつまらんなあと思う。

でも、やはり人は何かしら原因を無理矢理にでも見つけて納得したい生き物なんだろう。

そんなことを思った。

現在は香林坊の四校記念文化交流館のすぐ後ろ。

いしかわ四校記念公園の部分にあたる。

写真はベルギービールのイベントがあったときのもの。

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