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琳派の祖!本阿弥光悦と金沢〜ゆかりの地を巡る旅〜

琳派の祖、本阿弥光悦。

刀剣の鑑定と研ぎを本業とする家に生まれ、寛永の三筆と呼ばれた書だけでなく、陶芸や蒔絵などに才能を発揮。
その作品のうち2つが国宝に認定されるというマルチアーティストです。

京都の鷹峯を徳川家康から与えられそこに芸術村を築き、光悦が住んでいたところは現在光悦寺というお寺になっています。

そんな本阿弥光悦。
じつは金沢と深い繋がりがあったのですが、意外とそのことは知られてはいないようです。

本阿弥光悦は加賀藩から知行を与えられていた

*前田利家(wikipediaより)

じつは本阿弥光悦のお父さんにあたり本阿弥光二の代、前田利家から知行を与えられているのです。
そのことは本阿弥家の由緒帳にも記されており、子の光瑳の代で200石。孫の光甫の代には300石を与えられます。
その後は光伝と光山の二つの系統に分かれ、光伝系は300石、光山系は150石で加賀藩に仕え続け幕末まで続くのです。

本阿弥光悦と金沢ゆかりの地

本阿弥光悦は加賀藩の御用で度々金沢へやってきていました。

そのときに宿泊していた場所とされるのが、金沢の近江町市場とひがし茶屋街のちょうど間にある尾張町に住んでいた紙屋庄三郎という豪商宅。
紙屋の屋号は鷹峯の側に流れる紙屋川からとったと言われ、本阿弥光悦からその名も「紙屋」という銘の茶碗をプレゼントされている人です。

*「紙屋」についてはこちらをどうぞ

尾張町という町は金沢の町人地でも金沢城に近く、かなりの一頭地なのですが、そのなかでも紙屋庄三郎宅の敷地はかなり広く、金沢の大店中の大店だったことがわかります。

そして現在、この場所は尾張町の交差点にあたるのだそうです。

*詳しくはこちらをどうぞ

敷地と思われる場所には町家を改装した「居酒屋むさし」なんてお店もあるので、ぜひここに光悦が来たんだなあと感慨にふけつつお酒を飲むのも良いでしょう。

居酒屋むさし

本阿弥光悦は前田利家だけでなく、その子の利長、利政、利常といった人たちとも交流が深かったことが多くの光悦の書状からわかります。

そのうちの前田利政の一族についての資料が残るのがこの前田土佐守資料館です。

ほかに光悦ゆかりの地をあげるとすると、若干無理やりですが

こちらでしょうか。

金沢の味噌蔵町にある裏千家を興した千仙叟宗室の屋敷跡。
近江町市場から尾張町を抜け、ひがし茶屋街に向かう際、橋場町の交差点で左に曲がるのですが、右側に曲がって一本中に入った通りにあります。

なぜゆかりの地なのかというと、本阿弥光悦の作った茶碗のひとつに「加賀光悦」という赤楽茶碗があるのですが、その茶碗の銘の由来がこの千仙叟宗室が所有していたからというのですね。

*加賀光悦についてはこちら

本阿弥光悦の孫、本阿弥光甫ゆかりの地

本阿弥光悦本人ゆかりの地というとこれくらいになるのですが、本阿弥家ゆかりとなるともう少しゆかりの地が増えてきます。

まずは孫の本阿弥光甫。空中斎という号でも知られます。

*本阿弥光甫についてはこちらをどうぞ

この光甫、金沢に来た際に宿泊する場所として邸宅が与えられます。
その邸宅の場所が古地図に記載されているのです。

ちょうど、香林坊大和という百貨店と金沢四校記念公園の間の仙石通りという道路がその場所にあたります。
ちなみに本阿弥光甫宅の隣は竹中是三という人の邸宅があったのですが、この方も茶人だったようで、このあたりは文化人が集められたエリアなのかもしれません。

幕末の本阿弥家ゆかりの地

幕末期の本阿弥家ゆかりの地といえば、小立野エリアにある経王寺です。

幕末期。本阿弥家は江戸より金沢に戻り、小立野エリアの与力町に住むことになります。

そして菩提寺を本阿弥光悦も熱心に信仰していた日蓮宗の金沢の触頭だった経王寺としました。

寄進の札に本阿弥の文字が残る。

本阿弥家のお墓。
側面には和歌が刻まれていて、本阿弥家が幕末まで文化を伝える家だったことがよくわかります。

いかがだったでしょうか。
金沢と本阿弥光悦、本阿弥家のつながりは深く、様々な場所にその痕跡は残っているのです。

文責:安藤竜(アンドリュー)
情報提供:高橋勇太

主な参考文献

横山方子「本阿弥光悦の子孫と金沢」(『金沢大学文化財研究』5号)

安藤竜「アンドリューの歴史エッセイ加賀藩寛永文化列伝vol.1江戸のマルチアーティスト本阿弥光悦と前田家の深いつながり」(『Coupling magazine』2017年11月号)

野村昭子「本阿弥光悦家と金沢」(『石川郷土史学会誌』第36号)

渡邊良次郎「本阿彌光悦と加賀藩」(『国学院雑誌』第59巻第8号)

福永酔剣『本阿弥家の人々」(平成21年、三協美術印刷株式会社)

河野元昭編『光悦 琳派の創始者』(2015年、宮帯出版社)

増田孝『本阿弥光悦 人と芸術』(2010年、東京堂出版)

玉蟲敏子・内田篤呉・赤沼多佳『もっと知りたい本阿弥光悦 生涯と作品』(2015年、東京美術)

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