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金沢は江戸・京都・鎌倉・川越と何が違うのか?

金沢って他のまちと何が違うの?

よく聞かれるのです。

とくによく聞かれるのは、京都鎌倉との違い。

どちらも歴史があって風情がある点ではまったく同じのように思えます。
なかなか

なるほど!

と一発で思える説明は難しいのですが、チャレンジしてみようと思います。

以前、寛永文化を伝えるまちこそが金沢だ!という記事を書きましたが、これはその続編だと思ってください。

金沢は他のまちと何が違うのか?〜寛永文化から見る金沢の特徴〜

今回はまちの成り立ちとその構造からみていきます。

そのまちは、いったい何時できたのか?

金沢が奈良、京都、東京、鎌倉、川越などと比べていったいどんな違いがあるのか。まずは

いつできた都市なのか?

という点からみていきたいと思います。

ざっくり言うと、古代からの都市なのか、中世からなのか、近世からなのかという違いです。
古代都市の代表格は京都奈良。平安京と平城京ですね。
その特徴は碁盤の目の地割。
非常に分かりやすい構造になっています。
地方では、国府とか古府なんて地名があれば、古代の頃の中心地だったことがわかります。基本的には古代の政治の中心地イコール古代都市となります。

中世都市は古代の国府の発展型のまちのほか、寺社の門前町や港町・市場町など新しい形の都市が生まれます。
国府の発展型としては甲府や府中、七尾など。
ほか、寺社の門前町として善光寺、吉崎、鶴来など。鎌倉は鶴岡八幡宮を中心に作られたという意味で門前町ともいえるでしょう。
港町や市場町では三国や金津、野々市などがあります。

近世都市は戦国時代以降の城下町がベースです。
城を中心に発展しましたが、城下町には単なる城下町と
複合城下町がありました。
江戸、金沢、名古屋などは
、家臣団の屋敷も城並みの規模を持つ複合城下町。
川越や小松などは単なる城下町と言えます。

金沢はもともとは浄土真宗の尾山御坊があったことから、中世の門前町でした。しかし前田利家の金沢入城以降、城下町として整備されます。
その際に中世都市としての性格は、ほぼ失うことになるのです。

城下町の特徴は、ほぼすべて上記のような構造になっていることです。
城を中心に武家地があり、その周辺に町人地。そして一番外側に寺社地があります。そして、その周囲に遊郭などの周縁社会や領地の農村が広がるのです。

上の図のように、金沢もやはり典型的な城下町の形をしていました。
そこに加賀八家の屋敷などプチ城下町が広がり、複合城下町となっていたのです。

*このあたりの詳細は下記記事を参照ください。
 城下町金沢と江戸を比較するvol.1 武家屋敷編〜加賀藩江戸藩邸と金沢加賀藩家老屋敷〜

このように、成立した時代や都市の構造から見ていくと、

古代都市:京都、奈良
中世都市:鎌倉
近世都市:江戸、金沢、川越

ということになりますが、江戸・金沢は複合城下町なのに対して、川越は単なる城下町だったということになります。

よって都市の構造から見た場合、江戸、京都、奈良、鎌倉、川越のなかでは、江戸が一番金沢と近いことになります。

文化面ではどうだろうか?

都市の構造から見ると、金沢に一番近いまちは江戸ということになります。しかし、これが文化面から見るとまったく雰囲気が変わります。

そもそも下記リンクでも書いたのですが、同じ寛永文化の時期に江戸と金沢ではまったく違う方向性に文化が磨かれます。

金沢は他のまちと何が違うのか?〜寛永文化から見る金沢の特徴〜

江戸は中国の儒学文化を磨いたのに対して、金沢は京都とともに王朝文化の再興に力を尽くしたからです。
また江戸は、さらに後の化政文化の時代に、浮世絵などの庶民文化が花開いたこともあって、武家と上級町人の文化としての寛永文化が江戸時代を通して残り続けた金沢とはかなり雰囲気が異なります。

そして、川越なども江戸と同様の文化圏といえます。

では京都とはどう違うのでしょうか。
京都は寛永文化の頃は金沢と文化面ではほぼ同じ様相だったと思われます。しかし、それ以後が異なります。
寛永文化期以後は、大阪(当時は大坂)に経済の中心の地位を奪われ、幕府の上方支配の本拠としての地位も低下します。
そのため、武士の影響力が弱まりました。
そのため公家と町衆による文化が残っていきます。
武家の好みがだんだん反映されなくなっていくのです。

では、鎌倉はどうでしょうか?
鎌倉は鎌倉五山の存在など、禅の文化が大きいと私は感じています。
寛永文化は千利休・古田織部と続いた禅の精神性をとっぱらって、ファッション化させたところに特徴があります。
非常に宗教色が弱いのです。

上記をかなりざっくりまとめるとこうなるでしょうか。

京都:公家(王朝風)の文化
鎌倉:武家と寺社(禅)の文化
大阪:町人の文化
東京:武家(儒学)・町人の文化
川越:武家(儒学)・町人の文化
金沢:武家による公家(王朝風)の文化

そして、寛永文化といえば王朝風に茶の湯を楽しむ文化。
だからこそ金沢の文化には和歌と抹茶が欠かせないのです。

文責:安藤竜(アンドリュー)

*本文はかなり筆者の現状の主観が入っており、エビデンスはかなり弱めですので、ご注意ください

 

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