鎖国についての雑感

最近、若者の就業支援研修のお仕事もしています。
そこで感じるのは、マインドが内向きな人が多いなということ。
面談してても金沢でずっと働きたいと言う人が多いです。
そしてそう感じるのは私だけというわけではないようで、友人で8リンガルマスターの新条正恵さんもインタビュー記事のなかで、
「外資系の金融企業の多くが、アジアの中で最も収益を得ている国は日本です。なのに、なぜ日本人は評価されないのでしょうか。私には二つの理由が思い浮かびます。一つはアジアで出世するよりも日本にいたいという内向きなマインド。もう一つは、英語を使ったコミュニケーション力の低さです。」
と述べられています。
また別の方に言わせると、日本は言語鎖国と言ってよい状況なのだそうです。
*言語鎖国の国(安藤 茂彌氏)
なぜそのようになったのかについて、
2015年2月9日放送の「池上彰が今こそ日本人に教えたい 実はみんな知らない日本」
で、面白い話が紹介されていました。
明治維新の際に様々な外来語が入ってきましたが、他のアジアの国は外来語をそのまま使っていたので、授業を英語でしないといけない状況になってしまった。
しかし、福沢諭吉を初めとする明治の知識人が日本語に翻訳することで、日本だけ日本語を使って授業をすることができたというのです。
また、それは前掲の「言語鎖国の国」という記事によると現在進行形の話のようです。
まさに明治時代の知識人の高い教養が、現在巡り巡って言語鎖国という状況を生んでいるのです。
以前、江戸時代の鎖国というのはヨーロッパの国々の軍事力にびびった江戸幕府が殻に閉じこもるように実施した政策などではなく、逆に日本が高い軍事力を持ってるが故に可能だった政策だったことを紹介した事があります。
現在の言語鎖国という状況も、まさに江戸時代の鎖国と同様に明治時代の知識人の高い語学力によって作られました。
しかし今、まさにまったなしで開国を迎えようとしています。
日本の国力が高いままであれば鎖国状態でもよいのでしょうが、そうではなくなってしまった現在、幕末の蘭学者のように語学を学び世界で活躍する人がもっと増えて欲しいなと感じます。
私も少しずつですが、まず英語から頑張ってみたいと思います。