【歴史紀行】徳川美術館(名古屋市)〜名香鑑賞会〜

平成27(2015)年のGW初日は、愛知県名古屋市の徳川美術館にて名香鑑賞会に参加してきました。
今、徳川美術館では、江戸幕府3代将軍家光の娘の千代姫の調度品である初音の調度がすべて展示されているとのことで、大にぎわいでした。
国宝の初音の調度も素晴らしいですが、ちょうど尾張の茶道・香道という展示もされていて、あの信長が無理矢理削り取ったことで有名な蘭奢待の一部も展示されていたり、香道の道具がこんなに一斉に展示されているのを初めて見ました。
到着して早速、会記をいただきます。
今回はちょっと到着がギリギリになってしまったので、まずは点心をいただきました。
そして呈茶席(ていちゃせき)。
織部の黒沓(くろくつ)茶碗が使われていて、織部好きの私としてはすでになかなかの興奮状態です。
掛け軸は、徳川家康没後400年ということで、徳川家康自筆の和歌がかけてありました。
その後、いよいよ名香席です。
感想としては、やっぱり名香ってすごいんだな。
長い年月伝えられてきただけのことはあると思いました。
素晴らしいです。
香木の香りには5種類の味があるといいますが、今回出された名香はその内の4種類の味があるものでした。
言われた通り、ものすごい複雑な香り。
しかもそれぞれにまったく特徴が違うことに驚かされました。
今回は以下の3種類。
伽羅(花散里):佐々木道誉所持
伽羅(初音)
羅国:徳川家康所持(あまりに徳川家康所持の香木が多すぎて、仮の銘しかないのだとか)
私は花散里が一番好きだったかな。
源氏物語に出てくる花散里の、決して美人じゃないけど優しく控えめなあたたかい女性のイメージの香りなんだそうですが、気品があってちょっと華もある感じの良い香りでした。
太平記に出てくる、ばさら大名で有名な佐々木道誉所持ということなので、鎌倉時代の終わりにはもう存在した香木です。
こんなものが今になるまで伝わっていて、その香りを今楽しめているなんて感慨深いものがあります。
最後は、組香席。
季節柄、組香は菖蒲香でした。