【歴史思考経営】真田昌幸に学ぶ!他人の資金で事業を始めるコツとは?

歴活代表の安藤竜(アンドリュー)です。
2016年のNHK大河ドラマは「真田丸」です。
真田丸は大坂の陣のとき、大坂城の南側に真田幸村(本名:信繁)によって築かれた出城です。
この真田丸のルーツといえば、幸村の父真田昌幸の築いた上田城でしょう。
上田城は2回の徳川軍の侵攻にも耐え抜いた非常に「強い」城でした。
上田城の築城事情
さて、真田昌幸による上田城の築城。
非常に巧妙なやり方で行われました。
当時真田家は徳川・上杉・北条に囲まれていました。
当初上杉に従っていましたが、北条が信濃国(長野県)に攻める姿勢を見せる北条につき、北条が沼田領を奪おうとするや徳川につきました。
このような状況下で築かれた城が上田城です。
最前線の城
この上田城は真田家にとって生き残りをかけた城でしたが、徳川家康にとっても対上杉の最前線の城でした。
上田城築城は真田家の事業ですが、最前線の守りを固めるという名目で徳川の力を借りることに成功したのです。
大久保忠世などの徳川家の大物が上田にやってくるなど、真田家の事業というよりは徳川家の事業として行われたほどでした。
その後、真田昌幸は上杉につくことになります。
怒った徳川家康は上田城に侵攻、第一次上田合戦が行われます。
この戦いにおいて真田昌幸・幸村親子は鮮やかな手腕で徳川軍を撃退、勝利します。
そして、今度は上杉家に上田城の改修と増築を手伝わせるのです。
結果、関ヶ原の戦いの際の徳川秀忠との戦い(第二次上田合戦)にも真田昌幸・幸村父子は勝利することになるのです。
本当にすごいのは資金援助を引き出した交渉術
これら2度の徳川軍への勝利は、真田昌幸の兵法のすごさだけを見ていたのでは大事なことを見逃すことになります。
真田昌幸の本当にすごい点は、大国に対して自分の事業(上田城の築城)の意義を理解させ、巧みに資金の援助を募ったことで、小国にもかかわらず十分な規模の城を築くことができたことにあったのです。
こうして徳川軍に対して2度の勝利を得た上田城。
このエッセンスを真田幸村は大坂の陣の真田丸に活かし、大活躍を遂げるのです。
参考文献
千田嘉博『真田丸の謎~戦国時代を「城」で読み解く~」(NHK出版新書、2015年)
大河ドラマ真田丸を楽しむには!
火坂雅志『真田三代』(文春文庫、2014年)
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