いま、信長型のリーダーシップが成り立たない理由

歴活代表の安藤竜(アンドリュー)です。
今回はリーダーシップについてのお話。
リーダーシップについてもっとも多い悩みは、厳しい上司が良いのか優しい上司が良いのかという問題ではないでしょうか?
私自身の見解は、結論からいうと
「時期と場合による」
これにつきると思うのですが、ではどんな条件下なら厳しい上司が良くて、どんな条件下なら優しい上司の方がよいのでしょうか?
まずは厳しい上司の典型といっても良い人物。
織田信長の事例から見ていきたいと思います。
目次
信長型リーダーシップの5つの特徴
まずは信長のリーダーシップの特徴から確認してみましょう。
1、「天下布武」という明確な目標(ビジョン)をあげた。
2、ワンマンなトップダウン型。
3、優秀な人材を積極的に引き上げた
4、技術革新に積極的
5、次・三男の積極的登用と土地に縛られない体制づくり
他にも色々あるかと思いますが、大きくこの5点が信長のリーダーシップの特徴と言って良いでしょう。
ときは大航海時代、鉄砲や鉱山の採掘技術など技術革新が起こったことで、生産力が向上し人口も増えようとしていた時代。
技術革新・人口ボーナスという時代の変化にいち早く対応したのが信長だったのです。
現在では通用しない特徴
信長型リーダーシップの5つの特徴のうち、まず注目したいのが5の次・三男の積極的登用と土地に縛られない体制作りという点です。
これは現在の日本では年々不可能になってきた要素です。
ご存知のように、現在の日本はどんどん少子化が進んでいます。
結果、守るべき土地はなくても、守るべき両親は地元にいるという人がほとんどという世の中になりました。
これまで企業はビジネスの状況に応じて、社員を自由に転勤させることができましたが、今後そういうわけにはいかなくなるでしょう。
実際に、両親の介護に備えて地元へ転職しようという動きは年々盛んになってきています。
信長のように次々と新しい場所へ本社機能を移し、社員も全員引越しするなんてことはもうできないのです。
厳しい上司型リーダーシップは見返りがあってこそ成り立つ
また、2のワンマンなトップダウン型。
厳しい上司型リーダーシップは見返りがあって初めて成り立ちます。
1や3のように、「天下布武」を揚げ、成果を出せば身分が低くても城持ち大名になれるチャンスがある。だからこそ我慢ができるのです。
新しいポストやより高い給与をいつかもらえるという期待感があってこそ、部下は我慢して努力することができます。成果を上げ続けることに対する見返りが「会社に帰属し続けることができる」という状況下では、より評価してもらえる企業に移籍することを止めることはできません。
実際戦国時代でも、より評価してくれる大名家に移籍する武士の例は非常に多かったのです。
人口減少下、成長が停滞している企業には優しい上司型リーダーシップが必要
信長型リーダーシップは少しずつ景気がよくなっていき人口が増加している社会がまず前提にあります。
その上で、伸び盛りの新しい業界で、若くても中途でも成果を出せば引き上げられる。そんな環境を用意できる企業でのみ成り立ちます。
現状、世の中は20年以上景気が上がらないままで、人口減少は止まることを知らず、企業の成長はストップしたまま、若手は上がつかえて力をもてあましている。
そんな状況では信長のような厳しい上司型リーダーシップはまったく効果的ではありません。
現在の状況と似通った時代のリーダーから優しい上司型のリーダーシップを学ぶべきなのです。
例えば江戸時代後半の名君だった上杉鷹山や農村建て直しに尽力した二宮金次郎などです。
ただ優しい上司型といっても、わかりやすい優しさではないのがこの2人の特徴でもあります。
次回は彼らのリーダーシップについて述べていきたいと思います。
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