石川県立歴史博物館の特別展「北前船と日本海海運」に行ってみた

歴活代表の安藤竜(アンドリュー)です。
石川県立歴史博物館で4月22日から5月28日までやっている特別展「北前船と日本海海運」に行ってきました。
ちょっとシンプルな展示でしたね。
知識がないと苦しいかもしれないので、少し解説を入れてみようと思います。
この展示の目玉はたぶん3つ。
ひとつは年貢米の輸送にまつわる古文書の紹介。
もうひとつは江戸・明治時代に実際に船大工の方がつくった北前船模型の展示
最後は北前船が昆布やニシンを仕入れた北海道の松前の様子を描いた屏風絵の展示
この3つだろうと思います。
今回の展示では北前船とは何か?
という定義についてはかなり広く扱っていて、基本的には日本海をベースに活躍した北陸の船くらいのイメージです。
*私の理解する北前船の定義はこちら
北前船とは何か?【前編】
*ほか北前船に関する記事として
北前船主に学ぶ!従業員のモチベーションを高めるインセンティブの与え方とは?
北前船の年貢米輸送に新たな発見!
今回の展示で新しくわかった事実としては、
北前船も年貢米輸送に携わっていたということ。
本来、年貢米の大坂への輸送は年貢米が納品されてすぐにしたいところですが、冬の荒れた日本海を船で輸送するわけにいかない。
そのため船主は加賀藩士たちのために、年貢米を担保に金を貸していた。
このように、北前船主は領主に対して年貢米の代金を建て替えるだけの財力が求められたというのです。
北前船というと商品を船頭の才覚で仕入れ販売する「買い積み」の仕組みが注目され、藩の御用で年貢米を輸送する船については検討の範囲から外れていたように思うので、このあたりは新鮮な面白さがありました。
江戸時代の北前船模型がすごい!
二つ目の目玉は北前船の模型です。
この模型は帆船模型が大好きなおじいちゃんモデラーが今回の展示のために新しく作ったわけでなく、江戸・明治時代の船大工が作ったものというのが面白い点です。
おそらく、実際の縮尺で作る前に色々と確認するためのものなんだろうと思いますが、どのような経緯で作られたものなのかとか、色々想像すると面白いですね。
模型と写真が一緒に撮れたら楽しかったのですが、江戸・明治時代のものと思えばちょっと難しいですね。
松前の様子を描いた屏風がすごい!
最後は、松前の様子ですが、湊には船が大量に浮かび建物も立派。
活気があったことがものすごくよくわかるにぎやかな屏風絵でした。
それ以外にも、アイヌの風習を伝えた神社への奉納額など北海道とのつながりがよく分かる展示がなかなか魅力的でした。
全体的に、どれも面白い展示だとは思いましたが、惜しむらくは解説らしい解説がほぼないということ。
ちょっと見る人に知識を要求する展示だなあと思いました。
事前に少し勉強してから行かれると面白く見られると思います。
ぜひ北前船について事前に予備知識をつけてから行ってみてくださいね。
*私の理解する北前船の定義はこちら
北前船とは何か?【前編】
*ほか北前船に関する記事として
北前船主に学ぶ!従業員のモチベーションを高めるインセンティブの与え方とは?
期間:4月22日〜5月28日
期間中無休
住所:石川県金沢市出羽町3−1
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