古地図アプリ「古今金澤」でたどる金沢!前田慶次の孫ツアー

歴活代表の安藤竜(アンドリュー)です。
前田慶次といえばかぶきもの。
漫画『花の慶次』で有名になり、パチンコやらゲームやらで大人気のキャラクターです。
残念ながら、金沢ではあまり慶次からみの場所はなく、末森城の戦いに参加していることから、末森城主の奥村助右衛門ゆかりの地をめぐるしかありません。
しかし、よくよく調べてみると前田慶次の孫はどうやら金沢に住んでいたようなのです。
その名は、
老女今井
果たしてどのような女性だったのでしょうか?
目次
老女今井伝 その一
まず最初にお伝えしておかなくてはならないのは、老女と言ってもこれはお婆ちゃんという意味では無いということ。
別にお爺ちゃんじゃなくても家老と呼ぶように、老女というのは役職名なのです。
じつはこの今井。
金沢城の奥女中なのでした。
そして、老女というのは奥女中でも最高の役職。
江戸城の大奥でいうところの局(つぼね)にあたります。
春日局という名前は聞いたことがあるかもしれません。
まさに金沢城における春日局か、それに近いポジションにいた人なのです。
ちなみに元禄時代の頃の金沢城の奥女中の方々は43人いましたが、今井と同程度のポジションにいたと思われるのは御袋から岩瀬までの7人だけでした。
老女今井伝 その二
老女今井は「金澤古蹟志」によると前田慶次の外孫。
前田慶次には娘が3人いたようなのですが、そのうち戸田弥五左衛門の妻となった女性のさらに3人娘のうちの1人なのだそうです。
*以下、「金澤古蹟志」よりの内容です。
「金澤古蹟志」の内容(第3編巻7)はこちら
金沢で元和6年に大火事があったのですが、天徳院(前田利常の正室・珠姫)が春香院(前田利家の七女、千代姫)の部屋に移る際の手際の良さから春香院に仕えることになります。
そして春香院が亡くなった後も、幕府へのお使い役を務めていたため、松村・岩崎とともに、清泰院(4代光高夫人)に仕えたといいます。
さらに5代藩主の前田綱紀を幼少の頃から育てたことで屋敷を拝領。
養子をとることを命じられて700石となるのです。
また、前田利家は戦場でもそろばんを所持していたことで有名ですが、そのそろばんを春香院より拝領したらしく、かなり評価の高かったかたなのだろうと思われるのです。
今井の屋敷跡は、のちに加賀騒動の際の真如院(前田吉徳側室)の禁固所にもなるそうで、非常に気になる場所なのです。
今井はどこに住んでいたのか? 大奥編
奥女中だった時はもちろん金沢城の奥にいたはずです。
では、金沢城の大奥にあたる場所はどこにあったのでしょうか?
ここです。
と言われても・・・
ですよね。
現在の金沢城公園の案内看板でいうと、このあたり。
旧第六旅団司令部のあたりです。
なかなかすごいところにあるなあ第六旅団司令部。
こちらです。
その前には切手と呼ばれる通行手形を持つ者以外は通してはならないとされた切手門が今も残ります。
今井はどこに住んでいたのか? 今井屋敷編
今井はその後、屋敷を拝領しますが、その屋敷はどこにあったのでしょうか?
延宝金沢図によると、ここです。
*延宝金沢図はこちらからめちゃくちゃ高画質で見られます。
小さく女中と書いてある場所があるのがわかるでしょうか?
ちなみに女中の文字が逆さまなのは、先頭の文字がある方角に屋敷の門があったことを示しているからです。
便利!
それにしても大きな敷地ですね。
グーグルマップで見てみるとこのあたりは
ここ!
近江町市場から金沢一の繁華街である香林坊へ向かう道すがら、南町の交差点から少し入った場所にあります。
北陸新幹線のグランクラスで出てくるお弁当を作っている料亭の大友楼が目印です。
すぐ近くには金沢歴活忘年会でもお世話になった新鮮な魚が美味しい居酒屋の絹屋さんもあります。
隣には大谷廟所があるので結構わかりやすいのではないでしょうか。
残念ながら現在はただのマンションとなっています。
古地図アプリ古今金澤で歩いてみると・・・
*古地図アプリ古今金澤のダウンロードはこちら
古地図アプリ古今金澤は延宝金沢図ではなく少し前の時代の寛文金沢図を使っているため、残念ながら女中の文字は出てきません。
御用屋敷という名前で出てきます。
*寛文金沢図もネットで見られます。こちらからどうぞ
古今金澤で古地図とともに撮影!
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